こんにちは、まるりです。
私の年中になる息子は人一倍、環境の変化や悲しい気持ちに敏感な子どもなので、幼稚園で色々と悲しい思いを抱えて帰ってくることがあります。
先日、幼稚園に行きたがらない様子だったので、何かあったのかをよく聞いてみました。
「年長さんで、いつもいつも、うおーっ!て脅かしてくる子がいるんだよ」
「(上記とは別の子で)同じクラスで、ずっと、叩いてくる子がいるんだよ」
叩かれたり追いかけまわされたりして、嫌がらせを受けていました。ものを振り回されて、小さいながら、顔にけがをしたこともありました。
今回は、この時の顛末を通じて、
- 子どもが嫌がらせを受けたとき、NGだった意外な声かけ
- 一筋縄ではいかなかった、先生への相談方法
をご紹介したいと思います。
NGな声かけ3つ!「やめて」と言えない息子
①「やめて」って、言いなさい
「叩かれた」「追いかけられた」と聞いた時、まずかけた言葉が、
「えっ!やめてって、言っていいんだよ!?」というものでした。
ところが、息子はこれを聞いて部屋の隅っこへ行って、座り込んでしまいました。
怖くて、「やめて」が言えない
「どうしたの?」と聞くと、「怖くて、やめてって、言えないんだよ…」と教えてくれました。
これを聞いて、私はハッとしました。確かに、大人でも、電車内での痴漢や、職場の上司からのパワハラに対して、「やめて」と言えない人が多いです。理由は、「怖いから」です。
まだ4歳の息子が言えないのも、当然です。とはいえ、このままでは困りますが……。
②先生に、「助けて」って言いなさい
ならばと、「先生に、助けてって言ってみて!きっと、助けてくれるよ」と教えました。
すると、です。今度は、どんどん後ずさりして、別の部屋へこもってしまったのです。どうやら、「助けて」も言えないらしいです。
③「あなたが最初に、何かしたんじゃないの?」
さすがにこんな言い方はしていませんが、「どうして、叩いてきたんだろうね?」と聞きました。
これに対しては、なんの返事もありませんでした。
息子が心を開いた言葉「あなたは、悪くないんだよ」
私は廊下で、「息子のためを思って声をかけているのに、どうして、どんどん閉じこもってしまうのだろう」と考えました。
そして、「○○しなさい」という言葉は全て、息子に解決方法を教えているけれど、同時に、「あなたはこうするべきだった」という意味合いにもとれるのではないか、と思いました。
息子はそれを、「あなたがこうしないから(あなたが悪いから)、叩かれるのよ(追いかけられるのよ)」というように受け取ったのかもしれません。
まずは、息子の心に寄り添ってあげないといけません。
あなたは、悪くないんだよ
廊下から、息子に「あなたは、なにも悪くないんだよ」と声をかけました。すると、そろそろと、部屋から出てきました!良かった!
叩かれたり、追いかけられたりして、悲しかったね
まずは息子と悲しみを共有してあげなければいけませんでした。「悲しかったね、嫌だったね」と声をかけて、ゆっくり抱っこしてあげました。
しばらくすると、息子は「明日も幼稚園、いくし!」と若干、強がりながら元気を取り戻しました。
先生への相談は、一筋縄ではいかなかった
連絡帳で担任の先生に相談したが、最初は解決しなかった
連絡帳に一連のできごとを書き、幼稚園の担任の先生に相談したのですが、お返事は「もう少し、様子を見ようと思います」というものでした。
下記のことが原因でした。
- 先生が息子に「なにか困ってることない?」と聞いてくれたが、息子は「なんにもないよ?」と答えてしまった
- 「いつも脅かしてくる年長さん(らしき子)」と息子が一緒にいる様子を先生たちも見たかけたが、一見、楽しそうに見えた。
- 息子が、「いつも脅かしてくる子」や「叩いてくる子」の名前を知らなかった
考えてみれば、「やめて」も言えない息子が、先生に上手に相談できるわけがありません。
また、幼稚園児どうしのトラブルなので、「楽しそうに見える」のも納得です。特に脅かす子は、「息子の反応が楽しくて、遊びのつもりでやっている」のであって、「嫌がらせしてやろう」という意識はない(か、無自覚)なのではないでしょうか。
「気にしない子は気にしない、むしろ(戦いごっこの一環で)楽しんでしまう程度」なのかもしれまん。とは言え、息子は嫌がっているし気にしてしまうので、なんとかしないといけません。
夫は怒り心頭、私も真剣に
夫は、「それは嫌がらせだ!早めにそういうやつらは、つぶしておかないと!!」と、過激発言 笑。
私も「そこまで深刻な事態じゃないよ 笑」と答えつつ、真剣に考えました。
「いじめ」と「いじめじゃない(いじり、悪ふざけ)」のボーダー上の出来事への対処法
周囲に「助けて」を言える人間になること
これは、小学校、中学校に行っても、その先もずっとついて回る問題です。「まだ幼稚園だからいいや」ではなく、真剣に取り組むことにしました。
親ではなく、息子が自分で解決できるようにしたい
数日間、バスの乗り降りなどを気をつけて見ているうちに、「いつも脅かす年長さんは、あの子だな」と分かりました。
しかし、そこで親がバスに乗り込んで「うちの子、嫌がってるの。やめてくれる?」と言うのは、年中の息子のためになるでしょうか?
かえって、息子の自立を妨げるはずです。
息子が自分で問題を解決できるよう、手伝ってあげるしかありません。
「やめて」も「助けて」も、家で練習してみよう!
できないのなら、家で練習してみよう!と思い、家で予行練習をしました。
親子で一緒に、「やめて~~~!」と叫ぶ
我が家には壁にイルカや魚のステッカーが貼ってあります。天井近く(ちょっと遠くにあるもの)を指さし、息子に向かって、
「あなたは何も悪くないんだから、お母さんと一緒に、『やめて』って言ってみよう!このイルカに向かって!かけました。せーの!」
と声をかけました。当然、最初は出来ません 笑。
「じゃあ、お母さんがお手本を見せてあげるからね!『やめて~~~~~!!』」
すると、息子もつられて「やめて~~~!」と言ってくれました。
遊び感覚だったのが良かったのかもしれません。
「よく言えたね!えらいよ!」とすかさず褒めました。
先生とのお話も、予行練習
「じゃあ、ママが○○先生ね!『○○くん、何か困ってることないかな!?』」と担当の先生のモノマネを交えて聞いてみると、
息子は、耳をふさいでしまいました。
どうやら、担当の先生(体育会系で、とっても元気)に気後れしているようです。
ちょっとトーンを落としてもう一度聞いてみたのですが、
息子は「えっ?こまってること?ぜんぜん?」と回答。
「いや、そうじゃないでしょ……。叩かれたりして、困ってるんじゃないの?」と普段の調子で聞くと、
「ああ、あれね!そうなんだよ~いつも、いつも『うぉー、うぉー』ってしてくるんだよ」と話し始めました。
どうやら息子は、優しく穏やかに話しかけられると、相談ができるようです。
再度、先生に相談!ずっと気にかけてくれてた
前回の相談から二週間後、もう一度、連絡帳に「やはり気にしているようです」と書いて相談しました。
今回は「もう一度、優しく、息子に聞いてみてもらえませんか」と書き添えてみました。
今度はちゃんと相談できた
二回めということで、今度は息子がちゃんと相談することができました。連絡帳で相談したその日のうちに先生から電話があり、
叩かれた子について、
- 相手の名前
- こんなことがあった(叩かれた)
- 泣いてしまった
- 先生がその場にいなかったので、助けてって言えなかった
また、いつも脅かす年長さんについては、相手の名前は知らないけれど、
- かぶっている帽子の色
- バスが同じであること
などなどを、お話することが出来たそうです。色々と話せましたね!大進歩です。
叩かれた件について、先生がお話して仲直り
叩かれた件については、先生がすぐに当事者の子と「叩くのは、違うよね」と話してくれました。
また、息子にも「走ってはいけないときに走って、お友だちにぶつかってしまう」ことがよくあるので、「それは違うよね」というお話をしてくれました。
(非常に息子にありそうな話です。ひといちばい敏感なくせに、ひといちばい、やんちゃなので)
脅かされる件について、先生たちみんなで気にしてくれた
「年長さんに、いつも脅かされたり追いかけられたりする」件については、当事者の子を特定できなかったので、すぐにお話ししてもらうことは出来ませんでした。
しかし、先生がさりげなく息子を年長さんのクラスに連れて行ってくれて(学年を厳密に仕切る壁がなく、他の学年にもいきやすい構造の幼稚園です)、「この子かな?」と確認しに行ってくれたり、
それでもよく分からなかったので、息子のバスコースでバスに乗る先生みんなにこの件を共有してくれて、みんなで見守るようにしてくれました。
これは最初に連絡帳で相談したときからずっと、その体制でいてくれたそうで、改めて「有難いな~」と感じました。
後日、当事者を特定できて、先生がお話してくれた
後日、年長さんの子も特定できて、先生がお話してくれました。先生が聞いたところ、やはり楽しくて息子に話しかけていた(くらいの感覚)だったそうです。
先生が、「○○くん(息子のこと)、楽しい顔してた?」と聞くと、「うーん。違ったかも?」と気が付いてくれたそうです。
息子の成長:大事な経験になりました
一連の出来事を経て、息子にも変化がありました。
- 「年少さんの部屋へ戻りたい」と言わなくなった
- 担任の先生への信頼感が増した
- 「やめて」と言おうとするようになった
年中に上がってから2ヶ月ほど、ずっと「年少さんのお部屋に戻りたいなあ」とつぶやいていたのですが、それが一転、「年中さんのお部屋、大好きになったよ!」と言うようになりました。
どうやら、担任の先生と話し、「これからも、困ったことがあったら、先生に言っていいんだよ」と言ってもらえたことで、安心したようです。
やはり、親が「先生に言っていいんだよ」というより、先生から直接言ってもらう方が重要なのですね。
また、先日、バス停で戦いごっこを(本件とは全く別の子から)挑まれたとき、「ねえ、やめて?」と真顔で言っていました。親がいるから安心できる状況だったとはいえ、「よく言った!」と思いました。
やきもきした数週間でしたが、これも大事な経験だったと思います。
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